本文へスキップ

12.ゲームブックコレクター(GameBridge 2010年12月掲載)

ゲームコレクター・酒缶がゲームコレクターさんのご自宅に訪問してゲームの話をするゲームコレクター訪問。
第12回は、目印になるようにパックマンパーカーを着て最寄り駅まで迎えに来てくれたごぶさんのご自宅に訪問させてもらいました。



今回のコレクター:ごぶさん
イベントでDJをする20台なのに、幻想文学の知識が豊富というギャップに満ち溢れたゲームコレクター。
クリーチャーマニュアルのデータを確認するのが大好き。

12-7.ゲームブックの役割と現実


ごぶ これはスティーブ・ジャクソンの
   『モンスター誕生』(※1)です。

(※1) 『モンスター誕生』……1988年に社会思想社が発行したスティーブ・ジャクソン作のゲームブック。



酒缶 ファイティングファンタジーシリーズ(※2)
   の最後の本ですか?

(※2) ファイティングファンタジーシリーズ……スティーブ・ジャクソンとイアン・リビングストンが作ったゲームブックのシリーズ。略すとFFにもファイファンにもなるし、シリーズ作品が多いところもある意味先駆者。

ごぶ いや、ファイティングファンタジーシリーズ
   はこの後もずっとシリーズが続くけど、
   スティーブ・ジャクソンは監修に
   回ってしまって、後続の作家が書いていて
   ほとんどクソゲーでまともに
   ゲームになってないです。
   ファイティングファンタジーは日本では
   途中で翻訳が切られて、
   海外では60種類くらい出ています。
   ファイティングファンタジーシリーズを
   TRPGにしてみようとした本もあり、
   ゲームブックで遊んだ子どもたちを
   TRPGに引っ張ろうとしているんですけど。



酒缶 出版社が違うんですね。

ごぶ そうなんですよ。
   海外では同じ出版社なんですけど、
   ゲームブックが社会思想社でTRPGは
   東京創元社が持って行っちゃって。

酒缶 わかりにくいですね。

ごぶ ゲームブックからTRPGに
   発展させたいって気持ちがある人たちが
   多くて、翻訳する人たちもやっぱり
   TRPGに引っ張っていきたいという
   意図があったみたいです。

酒缶 ゲームブックをきっかけに、
   TRPGを普及させようとしていたんですね。

ごぶ そうですね。ゲームブックのあとがきを
   見ると、翻訳をしている人が
   「ゲームブックだけじゃなく
   TRPGも遊んでみようよ」みたいなことを
   書いてます。
   海外の事情はよくわからないんですけど、
   日本ではそこまで行ってなかったですよね。

酒缶 ファミコンの台頭が原因ですかね。

ごぶ 多分そうじゃないですか。



(つづく)